
「ケケケケ」「ゲコゲコ」と愛嬌のある声で鳴くニホンアマガエル。自然の中で聞く分には風情がありますが、いざ自宅で飼育を始めてみると「夜中に鳴き声が響いて眠れない…」「ご近所迷惑にならないか心配」と悩む方は少なくありません。
一方で、「うちのアマガエルは全然鳴かないけれど、病気なのかな?それともメス?」と疑問に思う方もいるでしょう。
この記事では、ニホンアマガエルがなぜ鳴くのか、オスとメスの違い、そして飼育下で鳴き声のトラブルを避けるための対策や、鳴かなくなった時のチェックポイントについて詳しく解説します。カエルと人間が無理なく共生できる環境づくりの参考にしてください。
この記事でわかること
- 大きく鳴くのは「オス」だけ。メスは基本的に鳴きません。
- 鳴く主な理由は、「繁殖期(4月〜8月)のアピール」と「気圧・湿度の変化(雨鳴き)」。
- 飼育下では、夜の気温が15℃〜19℃を超えると春を感じて鳴き始めることが多い。
- 鳴き声を完全に止めることはできないため、飼育前の雌雄判別やケージの設置場所の工夫が必要です。
なぜ鳴くの?アマガエルの鳴き声の正体

ニホンアマガエルが鳴く理由は、主に以下の3つに分けられます。
1. 繁殖期のメイティングコール(求愛行動)
ニホンアマガエルの繁殖期は、自然界では4月から8月にかけてと比較的長期間にわたります。この時期、オスはメスを惹きつけるために、喉にある「鳴嚢(めいのう)」という袋を風船のように大きく膨らませて、非常に大きな声で鳴きます。
2. 雨鳴き(レインコール)
カエルは気圧や湿度の変化にとても敏感です。雨が降る前など、空気中の湿度が高まると、繁殖期でなくても鳴くことがあります。これは「雨鳴き」と呼ばれ、アマガエルの代表的な習性の一つです。
3. 気温の変化(春の目覚め)
飼育下の場合、季節を問わず夜の気温が15℃〜19℃程度まで上がると、「春が来た」と勘違いして鳴き出すことがあります。冬場でも、暖房の効いた室内で飼育していると、「ケケケケケッ」と元気よく鳴き始めることがあります。
💡 オスとメスの見分け方

「鳴き声を聞きたい」「絶対に静かな環境がいい」という場合は、雌雄の判別が重要です。
- オス:声が大きく高いのが特徴です。喉に鳴嚢(鳴き袋)があるため、喉元の皮がたるんでいたり、色が黒っぽかったり茶色っぽく変色しています。
- メス:鳴嚢が発達しておらず、喉元はツルッとしていて真っ白です。体格はオスよりもメスの方が大きくなる傾向があります。
飼育者がやりがちな「間違った対処法」
鳴き声の問題や、逆に鳴かないことに対して、良かれと思ってやってしまうNGな対処法があります。
❌ 鳴き止ませるために急に温度を下げる
「鳴き声がうるさいから冬眠させよう」と、準備なしにケージを寒い場所へ移動させるのは大変危険です。カエルは変温動物であり、中途半端な低温(15℃以下など)は消化不良や免疫力低下を招きます。また、5℃以下にならないよう調整しないと、凍結して死んでしまう(冬眠失敗)リスクが高まります。
❌ 無理に鳴かせようと過度な刺激を与える
背中をこするなど、物理的な刺激を与えると「ゲコゲコ」と鳴くことがあります。しかし、カエルにとって不必要な接触は強いストレスになり、皮膚の粘膜を傷つける原因にもなります。
❌ 音漏れを防ぐためにケージを密閉する
鳴き声を抑えようと、ケージにタオルや毛布を何重にも被せて密閉してしまうと、ケージ内の通気性が悪化します。アンモニア(排泄物)が充満したり、蒸れてカビが発生したりと、カエルが「アンモニア中毒」や感染症で死に至る原因になります。
正しい騒音対策と健康管理

アマガエルの鳴き声は本能であり、健康な証拠でもあります。無理に止めるのではなく、人間側が環境を調整することが正解です。
1. 飼育前の計画:環境に合わせた雌雄の選択
マンションやアパート、あるいは職場などで飼育を予定している場合、夜間の鳴き声は想像以上に響きます。騒音が懸念される環境であれば、最初から喉が白い「メス」の個体を選ぶのが最も確実な対策です。
2. ケージの設置場所を工夫する
すでにオスを飼育している場合は、ケージを寝室から離れたリビングや玄関などに移動させましょう。防音のためにタオルを被せる場合は、必ずメッシュのフタの半分は開けておくなど、十分な通気性を確保してください。
3. 適切な「食事」でストレスのない環境を

もし「最近急に鳴かなくなった…」という場合は、温度低下だけでなく、体調不良(消化不良やガス溜まりなど)のサインかもしれません。カエルはデリケートな生き物です。
栄養不足や環境ストレスを防ぐためには、日々の食事が重要です。生き餌の管理が難しかったり、カエルの食いつきが悪かったりする場合は、高品質なコオロギ粉末を主原料とした人工飼料(レオバイトなど)を栄養補助や主食として取り入れるのも一つの合理的選択です。例えば、消化に負担をかけやすいでんぷんや魚粉を控えた配合のフードを選ぶことで、ガス溜まりなどのリスクを減らし、カエルを健康な状態に保つことができます。
まとめ:鳴き声は「健康のバロメーター」
- ニホンアマガエルで大きく鳴くのはオスだけ。喉の色(黒/茶色)で見分ける。
- 鳴くのは繁殖期や、温度(15℃以上)・湿度の変化による本能的な行動。
- 騒音が気になる場合は、メスを選ぶか、通気性を保ちつつケージの設置場所を工夫する。
- 急に鳴かなくなった場合は、温度(21〜28℃)や湿度(50%程度)、食事の消化状態を確認する。
アマガエルの鳴き声は、彼らがその環境で元気に生きている証拠です。ご自身の生活環境に合った個体(オスかメスか)を選び、適切な温度・湿度・食事管理を行うことで、カエルとの暮らしをより楽しく、快適なものにしていきましょう。















