カナヘビが餌を食べない時に試したい、5つの給餌のヒント

「最近、うちのカナヘビが全然餌を食べてくれない…」
「いつもは食べてたのに、急に反応しなくなった…」
こんな時、飼い主としては心配になりますよね。
でも、焦る必要はありません。カナヘビはとても繊細な生き物なので、餌の見た目や動き、周りの環境といったちょっとした変化にも敏感に反応します。
この記事では、カナヘビが餌を食べない時に飼い主さんが確認したい5つのポイントを紹介します。
行動学の研究データも参考にしながら、初心者の方にもわかりやすく解説していきますね。
📑 目次
- ✅ ヒント①:餌のサイズは適切ですか?
- ✅ ヒント②:動かない餌は認識されてないかも?
- ✅ ヒント③:飼育環境、大きく変わっていませんか?
- ✅ ヒント④:もしかして見られていると食べにくい?
- ✅ ヒント⑤:新しい餌には“慣れる時間”が必要!
- 🦎カナヘビバイトもおすすめ!
- 📌 まとめ
✅ ヒント①:餌のサイズは適切ですか?
カナヘビにとって、「ちょうどいいサイズ」の餌を選ぶことはとても大切です。
九州大学の研究(福留・山脇, 2016)では、様々なサイズのカマキリをカナヘビに与える実験が行われました。
その結果、体長2cmほどの小さなカマキリにはよく反応して捕食しましたが、5cm以上になると逃げてしまうことが多かったのです。
また、大きな餌には、すぐに近づかずに時間をかける傾向も見られました。
これは、「どうしようかな…」「ちょっと大きいかも…」とカナヘビが様子を見ている状態かもしれません。
📝 飼育のヒント:
- 餌は 「カナヘビの頭より小さい」サイズ を目安にしましょう。
- 大きな虫の場合は、カットするか、小さい種類の虫に変えてみてください。
✅ ヒント②:動かない餌は認識されてないかも?
カナヘビは、目で餌を探す 「視覚型ハンター」 です。
たとえば、レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)は舌をペロペロさせて匂いで餌を探しますが、カナヘビは少し違います。
彼らは “動き”を見て、「あ、虫だ!」と判断して捕食する タイプなのです。
研究でも、動かない虫にはほとんど反応せず、動いて初めて“餌”として認識される場面が多く観察されています。
📝 飼育のヒント:
- ピンセットで少し餌を揺らすだけでも反応が変わります。
- 人工餌は水分を多めに加えて柔らかくし、揺らすことで動きを演出しましょう。
✅ ヒント③:飼育環境、大きく変わっていませんか?
餌を食べない原因は、餌そのものだけではありません。
温度、湿度、シェルター(隠れ家)の有無など、飼育環境も大きく関係しています。
例えば、気温が低ければ代謝が落ちて動きが鈍くなり、食欲も下がります。
また、隠れる場所がないと常に緊張してしまい、餌どころではなくなります。
📝 飼育のヒント:
- 温度:日中25〜28℃、夜間は20℃程度
- 湿度:50〜70%を目安に
- シェルター:落ち着ける隠れ家は必須です
✅ ヒント④:もしかして見られていると食べにくい?——ストレスとタイミング
カナヘビは、人に見られていると餌を食べにくいことがあります。
特に、飼育を始めたばかりの頃や、冬眠明けのタイミングは注意が必要です。
まだ環境に慣れていないため、「落ち着いてごはんを食べる余裕」がないこともあるのです。
実際、「目の前では食べなかったのに、朝見たら餌がなくなっていた」
そんな経験がある方もいるのではないでしょうか?
これは、人がいない静かな時間に、こっそり食べてくれた証です。
📝 飼育のヒント:
- 特に飼い始めは「静かに見守る」ことを大切に。
- 無理に触らず、長時間覗き込まないようにしましょう。
- 置き餌で様子を見るのも◎。夜間に食べることもあります。
✅ ヒント⑤:新しい餌には“慣れる時間”が必要!
カナヘビは、初めて見る餌や匂いにとても慎重です。
最初はじっと見たり、舌をペロペロして匂いを確認して終わることもありますが、
数日後に突然食べてくれることもあるので、焦らず見守ることが大切です。
📝 飼育のヒント:
- 新しい餌はまず置き餌から試してみましょう。
- 舌ペロをしていたら、興味は出てきている証です。
- いつもの餌と混ぜて“慣れ”をサポートしてあげるのも効果的です。
🦎カナヘビがよく食べる粉末餌「カナヘビバイト」もおすすめ!
「何をあげたらいいか迷う…」
「虫が苦手、でもしっかり栄養はとってほしい…」
そんな方には、カナヘビ専用の人工フード『カナヘビバイト』がおすすめです。
- 主原料はコオロギとミズアブ。動物性原料95%以上で高い嗜好性!
- 粉末を水で練って与えるので、サイズも柔らかさも自由自在。
- 置き餌でも1〜2日劣化しにくく、夜中に食べる子にも◎
📌 【まとめ】食べないのは“異常”じゃなく、“反応”かもしれません
カナヘビが餌を食べない時、「病気かも…」と不安になる気持ちはとてもよく分かります。
でも、その行動にはちゃんと理由があります。
- 餌が大きすぎた
- 動きがなかった
- 環境が整っていなかった
- 人の目が気になっていた
- 初めての餌で警戒していた
こうした小さな「つまずき」を見直してあげることで、また元気に食べてくれるようになります。
じっくり観察して、小さなサインを読み取ることが、カナヘビ飼育の楽しみでもありますよ。
📚 参考論文
福留美由紀・山脇良文(2016)
Behavioural interactions between the lizard and the praying mantis
J Ethol, 34:231–241
https://doi.org/10.1007/s10164-016-0468-6